H2の闘病記 その7
このままでは終われない
私は大変目を酷使する仕事に就いていました。複視(モノが二重に見える)が出ることは私の仕事にとっては致命的でした。例えば私が1,000円を100,000円と誤認した場合、1.00mを1.00mmと誤認した場合、結果的に会社は莫大な損害を被る事になります。本を読んだりするのも苦痛でした。目読していて改行がうまくできなかったからです。
「複視が出てるから仕事ができないなんて理屈はおかしい。複視が出ていても仕事をしているMG患者は沢山いる。怠け病なんじゃないか?」と主治医は半ばあきれ顔で言い放ちましたが、少しは私の仕事の特殊性を考慮して欲しかったと思います。今の私なら「ならば複視が出ている外科医を紹介して下さい。どのようにして注射を打っているのか?どのようにしてメスを握ってるのか?是非ともお尋ねしたいと思いますので・・・」位の事は言い返すと思いますが、当時の私にはそれができませんでした。
「取り敢えず病状は悪化していないから、暫く日常の生活に戻って様子を見てはどうでしょうか?悪くなればその時にまた考えればいい訳ですし・・・・」と言われて納得する人もいるのでしょうが、私には到底納得できませんでした。
再び転院
平成12年11月、私は再び転院する事にしました。厳密に言うと、D病院に通いながら、他の病院も受診してみようとしたのですから、サードオピニオンという言い方が妥当かも知れません。
病院ですが、私はO大学病院を選びました。一回通う毎に一万円近い出費はかなり痛かったのですが、一度K大系以外の病院を受診してみたい思い(同じ学閥系の医師なら互いにかばい合うんじゃ無いのかと疑ってました)と、友人の「関西の雄はK大病院とO大病院だけど、難病に関してはO大病院の方が一枚上手だと言われているよ。」とのアドバイスからのチョイスでした。
O大病院の見解は、「現状で筋無力症と断定するのは難しいし、有効な治療法もありません。ただ、対処療法として斜視の矯正手術を受けてはどうでしょうか?実際筋無力症の患者さんで斜視の矯正手術を受ける人もいるし、一番お困りの複視も改善されると思いますよ。お望みなら神経眼科へカルテを回しますよ。」というものでした。
D病院の主治医は斜視の矯正手術にはかなり否定的でしたが、実際問題として投薬による治療は効果が無く、「切って治るのならその方が勝負が早い」と思いこんだ私は手術を決断しました。
痛い 痛すぎる
O大病院の斜視矯正手術は日帰りで行われます。どんなに遠方から来た患者でも、この原則は変わらないみたいです。私は平成13年6月に右目を、14年1月に左目を手術しましたが、いずれもビジネスホテルに宿泊しました。
左目の手術直後
半日で眼帯はこうなった
麻酔は良く効いていたと思いますが、それでもかなり痛く、特に麻酔が切れてから翌朝まではどうしようもなく痛かったのですが、「この痛みを超えたら幸せが待っている。」と自分に言い聞かせ、何とか乗り切ることができました。